電磁気学関連用語と単位
電磁気共通
- F:力[N]・・・
- F=qE・・・電荷が電場Eから受ける力。電場E[N/C]の中に電荷q[C]を置いたときに受ける力[N]。
- F=qvB・・・電荷が磁場から受ける力(ローレンツ力)。磁束密度Bの中で速さvで動いている電荷qが受ける力[N]。力の方向はフレミングの左手の法則にて。
- F=IBL・・・ローレンツ力の言い換えで、長さLの導体棒に流れている電流が磁場から受ける力。電荷を導体棒に流れる電流に置き換えただけ。
電気
- C:電荷[C][A・S]・・・
- 1C(電荷=電気量)は1Aの電流が1秒間に運ぶ電気量。
電荷はある期間に流れた電気量の合計=水の量。3Aの電流を5秒流せば15Cの電気量が移動する。 - 電子の持っている電気の量が電荷で、1Cの電気量は電子約624億の1億倍の電子が移動する。
- 電子1個または陽子1個のもつ電気量の絶対値が電気素量=1.602176634×10-19C
- 1C(電荷=電気量)は1Aの電流が1秒間に運ぶ電気量。
- V:電圧[V][J/C][wb/s]・・・
- 1Cに対する仕事量で、電流を押し出す能力。
- 1Cの電荷を運んで1Jを要した場合、この電位を1Vとする。1Cの位置エネルギー
- 1Cの電荷を1V高いところに運んだ時の仕事が1J=単位電荷当たりの仕事=単位電荷当たりの位置エネルギー
- 2点間の電圧の差が電位差。電流を押し出す力を高さとすれば、高さが高いところから低い所へ電流は流れる。
- 電圧を測定するときは電気を流した状態で測定
- 地面(地球)を導体として接地(アース)する場合、アースの抵抗は人体の抵抗(皮膚湿2000~皮膚乾4000Ω)に比べると低い(湿った地面50とか?~乾いた地面∞Ω)ので、通常、漏電した電流は人体を通らず、アース側に流れる。そのため、アースを基準の0Vとした電位差を電圧とすることが多い。グランド(GND)はアースが基準とは限らない(別の場所:電流が最後に戻る場所=電源のマイナス側等を基準にした場合、アースに対しての電位ではなくなる)
- つまり、接地した側の電線を0Vとできる。
- I:電流[A][C/s]・・・
- 電気の流れる速さ。
- 1秒間にどれだけの速さでプラスの電荷が移動するか。
- 電流I=電流密度j×断面積A
- Aをtに対して積分すると、流れた電気量の合計C
- ρ:電荷密度[C/m3]・・
- 単位体積あたりの電荷量
- j(or i):電流密度[A/㎡]・・・
- (j=σE)1㎡あたりの電気量。
- σ:導電率[S/m]・・・
- 物質中の電気の通しやすさ。
- シーメンス毎メートル
- D:電束密度[C/㎡]・・・
- 1㎡あたりの電荷量。磁束に対応させると電束=電荷となる。
- (D=ε0E)→電束密度が一定としているので、誘電体により変化するE=\(\large{\frac{D}{ε_0}}\)として、電場は電束密度を誘電率で割ったものとするほうが意味を成すかも。
- 電束を表した図が↓↓↓
同じ電荷から出る電束(電束密度)は誘電体のある無しに関わらず変化しないものとして定義される。
すなわち、誘電体がない場合の電束と電気力線は同じになる。
- E:電場(電界) [V/m][N/C][本/㎡]・・・
- 単位電荷が受ける力。
- 1㎡から出る電気力線の数=ガウスの法則により定義される
- 電場を電気力線で表した図が↓↓↓
電場は誘電体の種類で変化する。分極の度合いが高い誘電体が電場内にあれば、誘電体内部で逆の電場が発生し、誘電体内部の電場は弱まる。(本質)
- ε:誘電率[F/m]・・・
- 電気の通しにくさ(誘電体は絶縁体のこと)。
- ファラッド毎メートル。
- ε0は真空の誘電率で8.85×10-12[F/m]。
- ε=\(\large{\frac{1}{4πk}}\)。εが高い→Cが高い→コンデンサー性能が高い。
- Z:インピーダンス[Ω]・・・
Z=R+XC+XL- R:抵抗[Ω]・・・R=\(\large{\frac{V}{I}}\)(オームの法則)
- XC:容量性リアクタンス・・・XC=\(\large{\frac{1}{jωC}}\)(jは虚数単位=2乗すると-1になる数)
- XL:誘導性リアクタンス・・・XL=jωL
- 抵抗Rを測定するときは電気を流さない状態で測定
- P:電力[W]・・・
- 電力P=電圧V×電流A
磁気
- φ:磁束[wb]・・・
- φ=BS(Sは面積)φ=NI
- φはコイル1巻を鎖交する磁束で、ΦはN巻のコイルを鎖交する全磁束。Φ=LI(L:自己インダクタンス、I:電流)→右ネジの法則
- B:磁束密度[wb/㎡][T]・・・
- 1㎡あたりの磁束φ。Tはテスラ。
- (B=μ0H) →磁場(磁荷があるとして磁荷により)を一定としているので、磁性体により変化する電束密度は磁場に透磁率をかけたものという意味。
- 磁束を表した図が↓↓↓
磁束(磁束密度)は、単磁荷からの磁力線の湧き出しではなく、磁石内部の自転する電子の回転(電流)が磁力線を作るという概念(これが本質)から、磁石内部でも収束しない(湧き出しや吸い込みがない)ように描かれる。 - 磁束の中に鉄等の磁性体を入れると、磁性体の電子の自転方向が揃い、磁性体の磁力が増し、磁束密度が増強される。
- H:磁場(磁界)[A/m][N/wb]・・・
- 1ウェーバーのN極を置いたときに受ける力。
- アンペア毎メートル
- 磁場を表した図が↓↓↓
電場の延長で、クーロンの法則が成り立つ単磁荷が存在するとして作られたため、N極から湧き出しが起こり、S極に吸い込まれるように描かれる。 - 磁場は電場とは違い、磁性体(透磁率)によらず一定とされた。
- μ:透磁率[H/m]・・・
- 磁束密度と磁場を対応させる係数。
- 磁力線の通りやすさ。
- 鉄心あり/なしコイルでどちらも磁場が同じでも、鉄のほうが空気よりも透磁率が高いため磁束密度が高くなる。
- ヘンリー毎メートル。Hはコイルの自己インダクタンスLの単位。
※ 本質がどちらかという意味では、電束密度が磁場に、電場が磁束密度に対応しているが、対応させる誘電率や透磁率のような係数により、人為的に電場を磁場に、電束密度を磁束密度に対応して処理できるように形を整えられているので、実際はそこまで深くどちらが本質かを考えながら計算しなくてもよいらしい。
その他
- ω:角速度[rad/s]・・・
- 1秒間進む角度(rad:ラジアン)
- ω=2πf(fは振動数Hz)