直流と交流
直流
直流電流では、電圧は常に一定。
電源としては、1.5Vの乾電池や12Vのバッテリー等が該当する。
電源から電圧V(ポンプ)により勢いよく送り出された電子は、1[C]あたりV[J]のエネルギーを持っており、導線の中で格子振動する原子核や、途中にある抵抗の原子核にぶつかることで、持っているエネルギーを熱エネルギーとして発散し、電源に戻るときには電位差Vに相当するエネルギーを失う。
あくまで、ここでいう電圧は電源のマイナスを基準(GND=グランド)とした電位差であり、電子のエネルギーが全くのゼロというわけではない。
キルヒホッフの第二法則(電位差保存則)では導線の抵抗は無視し、抵抗器により生じる電圧低下と起電力が等しいとしている。
原子核の格子振動は温度が上がると増し、温度が下がると減少する。移動する電子は格子振動する原子核により抵抗(散乱)を受けるので、抵抗を少なくするのは温度を低下させるのがよい。
金属結合している導体中では自由電子が分け隔てなく行き来しているので、電源から出た電子が一番初めに抵抗等に到達するわけではなく、押し出された抵抗付近の電子が初めに到達していると考える。
また、電子の流れの向きは電流の向きとは逆であり、電流は1秒間に移動するプラスの電荷の量[C/s]と定義される。
なお、電子1個または陽子1個のもつ電気量の絶対値が電気素量=1.602176634×10-19[C]であり、10の12乗が兆、10の16乗が京だから、1[C]の電荷には電子1兆を軽く超えるだけの数が含まれていることになる。
交流
交流電流は電圧がサインカーブ(正弦波)を描く。
電圧がプラスとマイナスを動くので、電流の向きもそれに応じて切り替わっている。
このように交流の電圧は絶えず変化しているので、最大の時の電圧をV0とすると、V0を\(\sqrt{2}\)で割った値=\(\large{\frac{V_0}{\sqrt{2}}}\)を実効値としている。
一般家庭の交流電圧100Vは実効値であり、最大値は100Vに\(\sqrt{2}\)を掛けた141.4Vである。
交流における電子の動きは、直流のように一方通行に移動するのではなく、同じ場所を起点に振動しているという感じになります。
車の玉突き事故で車が電子として考えれば、電圧は追突する車の速度であり、勢いよく追突されれば、その前の車はその前の車を押し・・・やがて壁(抵抗)に激突、みたいなのが直流。その後、先頭の車がバックでぶつかってくるのが交流みたいなイメージか。
電子回路における交流電流の向きは、電源から両方の向きへ電流が流れるが、便宜上負荷へ流れる方向を正方向として矢印を書くことが多いみたい。
整流
整流とは交流を直流に変換すること(AC/DCコンバータ)
ダイオード(4つ使う、ダイオードブリッジ)での整流だけでは、波打つ形の脈流にしか変換できない。
整流では一方通行の特徴を利用して、プレートがプラスのときだけ電流を流す、つまりいらないマイナス側を、ばっさり切り落とします。
この波を、脈が打つような形から脈流といいます。このままでは直流とは違いすぎるので、コンデンサという蓄電器でその間をうめます。
通常は交流電流を整流する事で脈流が作られる。交流を直流に変換する整流回路中の脈流は、平滑回路と呼ばれるコンデンサとチョークコイル(リアクトル)によって波形がなだらかに整形されることで、直流に変えられる。
平滑回路で除ききれなかった波形の乱れはリップル(Ripple)またはリプルと呼ばれる。