スピーカーの仕組み

スピーカーの仕組みは、音の電気信号を持つ電流がコイルに流れることで発生した磁束と、あらかじめ配置してある磁石の磁束が引き合ったり反発したりして、コイルもしくはボビンが振動板を動かすことによる。

マクスウェル方程式で言えば、右ネジの法則(アンペールの式)が該当する。

最も簡単なスピーカーとしては、紙コップにコイルと磁石を張り付けたものがあげられる。

  • エナメル線を20回程度巻き、コイルを作る。巻はじめと巻き終わりを1、2㎝出しておき、先端をやすりで削る。エナメル線には種類があり、ポリウレタン(UEW)は皮膜を除去しなくてもはんだ付け可能、ポリエステル(PEW)は皮膜除去必要
  • コイルの直径は磁石の直径と同じくらいがいいかも。磁石の直径よりも短すぎると音が鳴らない。
  • 導線の抵抗は、導線が長く、細いほど増す。自己インダクタンスはL=\(\large{\frac{μN^2S}{l}}\)なので、コイルの巻き数Nが多く、長さlが長く、断面積Sが大きいと増す(N=nl)。0.2mm程度の細さのほうがいい。太すぎるとノイズ。抵抗が低すぎる(直流抵抗3Ω以下位)だと、音を出すのに電流を沢山流す必要があり、導線のジュール熱が増す。8Ωが一般的?
  • 導線の抵抗を30㎝、直径0.2mmの銅の導線として計算してみたら、0.2Ωだった。同じ条件、コイルのリアクタンスはωLなので、2πfL、振動数が1、Lが461×10-6[H]として、2×3.14×461×0.000001=0.003Ω?。モスキート音が18000Hz。女性の声が1000Hzとすれば、平均2~3Ωといったところか。
  • インピーダンスが高いほうが音は小さくなるがノイズがなくなり綺麗な音になる。一般的に高いアンプがいいアンプ。インピーダンスが低いとノイズが増える。イヤホンやヘッドホンは音が小さくてもいいので、インピーダンスは16~32Ωと高め。
  • 磁石はフェライトよりネオジウム。コップの反対側にもつけると磁石を固定できてよい。

のような感じで作成し、携帯やオーディオプレイヤー等のイヤホンジャックに差し込むために、イヤホンを分解して、コイルの両端につなげる。(上リストの中の計算はあってるかわからん)

メカニズムとしては、コイルに電流を流すと、右ネジにより磁束が生まれ、それが磁石の磁束と相互作用を起こすことによる。いわゆる電磁誘導であり、電流が流れれば磁場が生じるということだ。

同時に、磁場の中で電流を流すとフレミングの左手の法則の向きでローレンツ力が発生するはずで、この向きは磁場の向きが固定されているので、力の向きは、回転する電流から90度遅れて回転する向きかなと思われる。すなわち、モーターの原理と同じく、コイルは回転するはずだ。

ちなみに、基盤にオーディオアンプICとか入っていて、アンプの入力が6-8Ωなら、4Ωとかのスピーカーをつなぐとアンプに負担がかかり壊れることがある。なので実験は小音量でやるべき。マザーボードに入っているかは不明(調べられず。増幅回路はあるようだがどのみち出力電力が低すぎてイヤホンで聞ける程度とか)。

パソコン用の安いスピーカーのインピーダンスは大体8Ωなので、16Ωのアンプだったりすると、2倍出力を出さなければならず負担を強いられるうえに、インピーダンスの差は流れる電流の差を生み、電流の差はノイズの原因となる。

パソコンからの出力は数mWと低い出力なのでイヤホン以外ではアンプ無しでは聞き取れない。音声出力のミニジャックが「緑」だけなら、2ch(ステレオ)スピーカーと接続。(※水色とピンクは音声入力端子なので、関係なし)「緑、黒、オレンジ」のミニジャックがあれば、5.1chスピーカーと接続可能。

イヤホンでなく聞こえる音を出すには、最低0.3~0.5Wは必要であり、音への変換効率は数%らしいので、数W~数十の電力が必要となる。8Ωのスピーカーを1Wの出力で動かすのに必要な電圧は、1=V^2/8、V=√8=2.8V、電流は1/2.8=357mA。

次に、磁石を紙コップから離しておいた場合、

コイルの中に木片のような絶縁体を入れた時も同じような結果になる。木片が導体だと磁石になるのでこれまた同じ。

また、磁石にリング型を使った場合、

これも似た結果になると推測される。どちらが強いかはわからないが・・・。

(動画)

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